この記事では田辺薬品が大切にしている『ミッションステートメント』についてご紹介したいと思います。
ミッションステートメントとは、企業として社会にとってどんな存在か、そのためにどんなことを提供していくのか、どんな価値観を重視しているのかを明文化したもののことをいいます。
会社で同じ想いを共有することにより、足並みをそろえて行動が出来る、組織としての一体感を生み出すことが出来ます。
今回は、ミッションステートメントを作った背景とそこに込めた想いを3代目社長である正道さんにインタビューしてまいりました!
(当社ではフラットな組織作りを目指しているため、みんな社長のことを「正道さん」と呼びます。)
社長就任したのは2020年、まさに社会はコロナ渦真っ只中でした。
正道さんが社長に就任した2020年4月…コロナによる緊急事態宣言など、まさに社会全体が混乱を極めたときでした。
Q そんな中で、3代目の社長として会社を受け継いだ訳ですが、当初はどんな気持ちだったのですか?
正道さん:最初はこんな情勢になるとは想定していなかったので、正直、自分の選んだ道はこれで良かったのかな…と思いました(苦笑)
ですが、日々コロナ対応に追われるスタッフの仕事に対する姿勢や、患者さまへの寄り添い力を目の当たりにして、これからスタッフのみんなを守っていくことへの覚悟、そしてスタッフ一人ひとりが持っている想いを会社運営に投影していくこと、自分がまず出来る仕事はこれだな、と確信したんです。
Q なぜミッションステートメントを作ることにしたんですか?
正道さん:ミッションを決めることが大切だと感じたのは、みんな患者さまへの想いは人一倍あるものの、それを会社としてしっかりと言葉にはしていませんでした。
みんなの想いをカタチにした共通言語を決めることで、地域社会における存在意義だったり、進むべき道を明確にするということが、今後会社運営していくにあたって絶対に必要なことだと感じたんです。
実際、直接店舗に足を運んでスタッフの話を聞いていくと、みんなそれぞれ地域の方や患者さまへの熱い想いを持っていたんです。
これってとても素敵なことだし、率直に『店舗で想いが止まっているのはもったいない!』と思ったんです。
だから僕が「このミッションにしよう!」とトップダウンで決めるより、スタッフそれぞれの想いを投影した「ミッションステートメント」を作ることに決めたんです。
決めてからは、役職者や管理職クラスでのディスカッションをはじめ、職種や雇用形態に関係なくスタッフ全員にアンケートを取り、『普段から大事にしている想い』を言葉にしてもらうところからはじめました。
スタッフひとり一人が持つ熱い想いを、くみ上げてカタチにしていきたい。
Q ヒアリングを進める中で、スタッフからどんな想いが出てきたんですか?
正道さん:改めてヒアリングしていくと、それぞれが今まで内に秘めていた想いを聞くことが出来ました。
「店内!それは舞台!いつも患者さまから見られていることを意識しています」
「微笑みを大切にしています。笑顔でいると相手も自分も心豊かになります。」
「その後元気になったときも立ち寄っていただけるような薬局にしたい!」
などなど、これはほんの一部ですが、表現方法は違えど地域の方や患者さまに寄り添って自分に与えられた職務を全うするスタッフの姿が見えてきました。
地域の方や患者さまにどんな形でも「健康」を届けていく。そんな想いを受け取った時に、改めて「自分は主役であってはいけない」と感じたんです。
社長というと華やかなイメージがあるかもしれませんが、僕がここで感じたのは縁の下でスタッフたちの想いを目の前の人に届けられるようフォローしていく。
スタッフたちの想いを受け止める中で、社員の想いが根底に流れているようなミッションステートメント経営をしていきたいと僕自身も進むべき道が見えたような気がしました。
Q ミッション(会社のとしての指標)を掲げた背景を教えてください。
正道さん:スタッフの意見を反映する形で、まずミッション作りをしました。
「カラダとココロに役に立つ『おクスリ』を丁寧にお届けし、
地域のみなさまの健康づくりと安心・安全な生活を支えます」「療養中の方やご家族の方が、気持ちよく、こころ豊かな毎日を過ごしていただけるようお手伝いします」
__これが田辺薬品の掲げるミッションです。
ここでいう「おクスリ」とは医薬品のことだけを指しているわけではなく、カラダとココロの幸せを感じていただけるような日常生活を支えるさまざまなサービスのことを
『おクスリ』と表現しています。
当社は1937年の創業以降、地域に根差したまちの調剤薬局として進んできました。自分たちの想いを地域の方へ還元していきたい…そんな想いを大切にしているスタッフが多かったので、まだ薬局に来たことのない地域の方含め、いつでも気軽に相談できる「健康コミュニティ」を目指していきたいと思ったのが、このミッションを掲げたきっかけです。
自分なりの「おクスリ」を見つけ出して、身近な人に還元していく…そんな想いで仕事していってほしいなと思っています。
自分なりの「おクスリ」を見つけてほしい。そしてその先へバトンを渡してほしい。
Q 最後に、正道さんの今後の「夢」を語って下さい!
正道さん:「薬局」は、地域のみなさまに健康やしあわせな生活をお届けするのが仕事です。
地域のみなさまに健康になっていただくために、もっともっとできることはないだろうか、今までの「薬局」にとどまらずにもっと価値を感じていただけるような存在になるために、何をしたらよいか。
そんなことを常に考え続け、みんなで実践できる集団になっていくにはどうしたらよいか。
僕が、この会社を見るようになって常に考えていることであります。
僕は、従業員や当社を取り巻く人々の「周りの人に対する健康への想い」を引き出し、「薬局」という場を通じて実現していただきたいと考えています。
言われたことだけをしてればいい。余計なことをしないで楽して働きたい。
そんな考えを隠している方よりも、地域の人のしあわせな生活のために一歩余分にがんばりたい。
新しい薬局の価値を一緒に作っていきたい。
そんな『想い』を実践していきたいと考えている方に活躍できる場を作っていきたいと思っています。
5年後10年後、調剤薬局業界もデジタル化の波にさらされているでしょう。そんな中で「普通の調剤薬局」が生き残るにはどうしたらよいか?
僕は、僕の周りにいる『みなさん』とともに信念をもって、地域に溶け込んだ『ヘルスケア薬局』と『よりそう在宅』で地域を支える世界を作っていきたいと思います。